TecdhCrunchの記事をG.W.にまとめよみしておいたので備忘録です。
広告関連
落ち目のTiVoがフレッシュでローカルな悪いニュースを広告主たちに売る
コンテンツ配信のセットトップボックスTiVo終了。コンテンツ配信+広告配信をセットで事業を展開すると、どっちつかずになる例。コンテンツ配信事業と広告配信事業は分離して協業するのがよいのか。
Askが、Anchor Intelligenceと組んで詐欺防止と広告配信最適化
広告事業者に対してクリック詐欺をみつけてくれるサービス。しかし・・・下記のサービスはAdネットワークからしてみたら、広告主への背信行為ですよ・・・。
クリックがニセかどうかを判定するだけではない。詐欺の追跡に加えて、各クリックの総合的価値をスコア化する。非常に高い確率で購入に繋がるトラフィックを、ある種の広告(CPA型)に送り、質の低いものはクリック毎支払いの広告に送ることができる。詐欺師たちは一日中バナー広告を見ていればいい。
モバイル広告シェアでPalmに並んだAndroid。但しiPhoneが依然として大差でリード

AdMobなので、携帯用サイトといっても、日本で言えばキャリアのトップページの広告表示といってもよい。おそらくこのデータは、iPhoneアプリの広告収益モデルの場合にAdMobが使われる頻度が高いという意味合い。
Mixxが新広告フィードバックプラットホーム”Sift”を実験中
Mixxコミュニティーから広告に対して直接フィードバックをかけるというもの。良い広告が掲載される。支払い額ではなく、ユーザーからのフィードバックがポジティブかどうかによってのみ決まる。
「ユーザ決定型広告配信」とでも呼ぶべきかな。コンテンツマッチよりもシステムコストが安く済むのかな・・・。
MicrosoftのPubCenterの高い支払いは一夜の夢だった
初期ボーナスであったと。配信数が増えると広告数が足らなくなるのは当然。しかし、Overtureが使いにくいことを考えると、選択肢が増えるのは嬉しい。
オンライン広告にもついに不況到来―第1四半期の売上落ち込む
Yahooの減少が著しいってことですね。かなり恣意的なグラフだな
OpenX Marketとは、パブリッシャーが広告主と直接取引きできる独立系マーケットプレースで、広告主は(直接または代理店を通じて)ターゲティングされた広告枠を利用できる。
日本で言うとPitta? Adlantis? ボリュームがある程度広がらないと事業成立しないけど、OpenXはその壁を越えているのかな? アジルテックとしてこの領域にでていくかどうか迷う。
VC、ファンド関連
Spot Runnerの奇談は続く: 今度はファウンダたちが株価操作詐欺で訴えられる
まさにババ抜き
広告ネットワークCollective MediaがシリーズBで$20Mを確保
うらやましい・・・。資金を得て買収ゲームしたい。
Adeo Ressi、新ファウンダー株で「投資家の非道」と戦う
経営者の非道にくらべたら・・・いやなら出資してもらうな。
検索エンジン上の広告管理を助けるSEOソフトのMarinが$13Mを調達
SEO専用ってよりも、広告代理店と広告主の間をつなぐコミュニケーションツールっていう意味合い。メールやTELでは、要件が複雑になって業務が回らないってことかな。業者間受発注において、複雑・複数人・短期間で作業をする専門領域にはツール提供事業の余地があるという事例。
Conductor、SEO技術で$10M調達
これってなに? SEO SPAMソフト?
パブリッシング・プラットフォームのAssociated Content、ソフトバンク他から$6Mを調達
登録ユーザが25万ってだけで、アクティブどんなもんだろう。こういうのは大概うまくいかない。
Facebook、$5-6Bの評価額による増資を画策中
桁が違う
Fixya、レコメンド機能を追加。なぜこの企業はVCに注目され続けるのか?
価格.COMにしかみえない。イスラエルベンチャー
ノンテクの経営マインドでも参加できるスタートアップ育成事業: Founders FundによるTechFellow Awardsの発表
アイデア
SkyGridが無料のリアルタイム経済ニュース集積サイトを立ち上げ
ニュースまとめさいと? 日本だと47?
ドメインのマネタイズを行うParked.com、WhyParkを買収
ドメイン占有問題もあるけど、最近はなんだかわからんトップレベルドメインが増えてるよな・・・。.com以外に価値無し。
Mint、個人会計をゲーム化―意外にクールなアイディアだ
でも、このゲーム面白くなさそう・・・。
Zynga、小額決済によって売上額大幅アップ
小額決済はネットの永遠の課題かも。トランザクションコスト10円でも100万円でも同じだからな・・・。
動的にウィジェットを管理するシステムGoldenrodで長寿命なウィジェットを作ろう
広告とセットでやるのかな。
ノンテクの経営マインドでも参加できるスタートアップ育成事業: Founders FundによるTechFellow Awardsの発表
社会的栄誉で、ファウンダーの投資意欲を惹起する・・・ってなんか違わない?
GWは日々の雑事や開発から離れて、少し離れた視点から事業を見つめています。先日、LingrやLunarrの失敗を分析したのもその一環です。
1年前になるんですが、「総務省がベンチャー経営の手引き」を出しているので、良い機会なのでこれを読みながら考えてみたいともいます。
この資料は、ベンチャー企業に事業計画の立て方の講義をするための講師への教科書としての位置づけがあります。218ページもありますが、後半部分はマッキンゼーのロジカルシンキング本やSay it with chart本などの抜粋や、「○○に必要なn個の習慣」などの心得が多いので、実質的には事業計画としては、第2章と第3章があたります。
地方自治体などがベンチャー支援の一環として指導講座を開く際の講師選抜の心得までつくってありますが、こちらみるのも参考になります。
で、この手引きなんですけど・・・戦略コンサル臭がプンプンする。ロジカルだけど、判り難く、現実剥離がある・・・。どこのコンサル会社かと中を読む前に調べてしまうのが悪い癖なんですが、調べたらすぐわかりました。ブレークスルーパートナーズ様の著作です。(いくらで落札したんだろ・・・800~1500万円くらいかなあ。)
この資料は悪いものではないです。ただ、あたりまえでつまらんな・・・といった印象があります。なぜでしょう?
創業期から事業拡大期の
ICT ベンチャーの経営者にとって求められる事業計画作成能力の向上を、効果的に支援するための教育プログラム(報道資料)
・・・ああ、内容が情報技術にフォーカスされてなく、一般的な経営論に始終しているからです。特許ポートフォリオについて1ページ、エンジニアのスキルチェックが4ページ。
この資料には大切な対比がひとつ抜けています。一般的なベンチャーと技術ベンチャーの対比です。
技術ベンチャーの難しさのひとつは「先行投資が大きく、リターンまでの期間が長い」という点です。多くの場合、自己資金だけで賄えない場合は出資者・融資元を探さなくてはいけません。この出資者を説得する際に必要な点を記してあるのが、総務省の手びきです。
一般的なベンチャーは事業計画に基づいて必要な出資をしてもらえれば一段落です。(出資者が事業計画を精査するので、妥当性が十分) しかし!技術ベンチャーは出資を受けてからも難しい。
なぜなら、技術ベンチャーは資金投資先の選択が複雑なためです。
例をあげて比べてみましょう。
①「1000円、10分ヘアーカット事業」と、②「ノートPC用小型燃料電池開発事業」で考えてみます。集めた資金をどの部分に投資するか、経営判断です。
①ヘアーカットは、「新規出店」、「集客広告」、「本部組織」の3つ。
②燃料電池は、「研究開発」、「製造」、「営業」の3つ。
ヘアーカットの投資はどれも、売上げ(利益)に直結します。本部組織への投資は、店舗の効率化をはかりコストを削減できます。投資のレスポンスも短いスパンで判明します。集客広告であれば1週間で効果がでてきます。
一方、燃料電池では「営業」ですら売上げに貢献するかどうかわかりません。マーケットの需要がないかもしれないからです。一般に、技術ベンチャーの営業は投資対象ではありません。1ないし2人程度でエグゼクティブ営業で頑張るべきです。
となると、投資先は「研究開発」と「製造」になります。どちらも、収益につながるまで時間がかかります。投資が売上げにつながるまでに年単位かかることがあたりまえです。また、投資が適確であったか判明するまでにかかる時間も同様に長くかかります。(アーリーステージのベンチャーは、研究開発ベンチャーと製造ベンチャーで普通は分かれるので、両方が対象になることは上場したあとでしょうね)
「研究開発」にいたっては失敗の可能性すらあります。
つまり、技術ベンチャーに投資する場合はVCは、「経営者の営業力」、「研究開発投資力」の2点を重視して投資します。(しかしこれができてないVCが多いのも事実、なぜなら後者はフタをあけるまで判らないから)
自分自身のことを考えると、最近は技術ベンチャーはリスク過ぎてやりたくないって気持ちが強いです。参入障壁が低く競合がいようが、レガシービジネスの焼き直しだろうが、資金を営業に再投資することでビジネス規模が大きくなり、車輪を回す速度と精度にのみ気を使えばよいビジネスに投資したいという気持ちが強くなっています。
景気後退の影響下、USに進出していた日本人ベンチャー企業家が相次いで事業を閉鎖しました。
LingrとRejawサービス終了のお知らせ (インフォテリアUSA)
今回は残念なお知らせがあります。5月末をもって、LingrとRejawの両サービスをシャットダウンすることになりました。いずれのサービスも、すでに新規サインアップは受付停止済み、5月15日までユーザデータのダウンロード依頼を受け付け、5月16日からは新規発言ができなくなり、5月末の完全停止までの間にデータをダウンロードしていただく段取りになります。
すでに米国のメディアでも (LUNARR)
弊社サービスだけでなく会社自体もディゾルブする事にした。とても残念だけど6月末で終わらせる。協力して頂いた方々、応援して頂いた方々、弊社サービスを使って頂いた方々に本当に心からお礼を申し上げたい。「本当にありがとうございました。」(_ _)
Failing to snag user Lunarr decides to shut down
前者ははインフォテリアから出資をうけた江島健太郎さんのインフォテリアUSA、後者はサイボウズ創業社長の高須賀 宣さんのLUNARRです。
失敗の原因分析や、サービスの内容は後で触れるとして、彼らのように世界に向けてソフトウェア・アプリケーション提供する企業を作ろうとしている方たちがギブアップする姿は悲しいものがあります。
しかし、同時に「失敗して嬉しい」気持ちがあるのも事実です。
なぜなら、世界中規模のサービスのラウンチが、挑戦さえすれば誰にでも得られるような容易い事ならば、それをしない自分が愚かでしかないからです。
僕自身もいつかは世界中に影響を与えるだけの企業を企業and/or経営したいという願望があり、そこから遥か遠いところにいる自分に焦りもあります。それ故に、彼らの失敗が、僕の判断の正しさをサポートするため嬉しいのです。(もちろん、彼らの挑戦の失敗という事実は予測していたが、残念です)
there are no failure until you quit! と言われた通り、僕は世界的規模のベンチャー、世界的規模のサービスへの道をあきらめない。
高須賀さんが言うとおり、諦めなければ失敗ではなく、成功までの回り道にすぎません。失敗なんて何度してもいいんです、死ななきゃなんとかなります。これは僕の座右の銘「死ななきゃOK」と同じです。是非一緒に仕事がしたいものです。
ただ、会社が継続しないのは「死亡」と同じなんですよね・・・。Lingr、RejawにしろThemes、Elementsにしろ事業売却ではなくクローズです。そして、会社も清算(破産・倒産にあらず)してしまうのですから。諦めないってのは会社を継続させるってことじゃないのでしょうか?
人生はQuitすると終わりですが、会社はQuitしてもRestartできるのが良い点です。江島氏も高須賀氏も、会社をQuitしても、新しい会社でRestartできるから安易にQuitしているようにも感じられます。事業性を信じて起業したわけですから、もっとギリギリまで粘ってもいいんじゃないでしょうか? それとも、事業性がないことに確信が得られたから辞めるわけでしょうかね。
ただお二人とも尊敬するのは、会社をたたむ決断ができる点です。
経営者ってのは、会社を潰すのは、会社を継続するのよりも遥かにストレスがかかるものです。特に「緩慢な死」にある企業では、3~5年くらい倒産を先延ばしするのは容易なことです。元気になる可能性がまったくみえなくても、プライド、取引先、社員へのエクスキューズなどを考えると、ついつい延命措置をとってしまいます。
江島氏は自身の失敗理由を分析していますが、私なりに二人の失敗を糧とするならば、「やりたいことをやったが故に失敗した」といったところでしょう。極端な表現をするならば「成功することを選択しなかった」とも言えます。
あたりまえじゃん!・・・と怒らないでください。
企業にとって成功とは、「収益をあげる」ことです。利益を上げていない企業が10年、20年と継続することはごく一部の例外を除いてありえません。ベンチャーですから、3-4年は営業利益がでなくてもOK・・・かもしれませんが、売上げが上がらないことはOKではありません。売上げが伸びていれば、赤字であっても出資者はついてきます。売上げがないと、たとえどれだけ社会に貢献できる事業であっても、出資する人はいません。それは寄付で運営されるボランティア事業とすべきでしょう。
高須賀氏の4/30の日記には「本物ベンチャーの初期にビジネス・モデルは不要だ。あれば将来価値を著しく小さくする」と述べられています。
ああ、確かに「本物」なら収益モデルなどたてていなくても成功するかもしれない。しかし、出資者は、どうやって「本物」を見分けるのだろうか? また、ベンチャー当事者たちは、現時点では「本物」でも未来に渡って自分たちのビジネスが「本物」でありつづけるか?
否!本物と偽者に区別はないのです。
であるならば、経営者の責任はただ一つ、収益化モデルを導入する時点まで資金調達をすること、逆も真であり、自身の資金調達の可能な範囲内で収益モデルを導入することです。
高須賀氏が求めているのはシュペンターのイノベーションであって、ベンチャー企業の成功より難度の高い目標に思えます。
さて、ここで気を取り直して、お二方の事業内容・サービスを見てみましょう。
Lingr is an open community of chatrooms. You can chat about anything you want, in public or private rooms. No account is required, and no special software. Just choose a room and start chatting!
(要は、チャットサーバ。実装がCometってのが面白い。)
microblog + chat = fun
(紹介記事中でも指摘されていますが、所詮Twitter。「まぁ、こうやって書くとTwitterにコメント欄がついたぐらいの印象でたいした違いを感じないかもしれませんが、面白いのはそのコメント欄の実装の仕方。」・・・)
・・・・どちらも 売上げだすの厳しいなあ・・・お疲れ様です。
確かにCometは面白いですよ。AjaxとFlashがなければCometは一世を風靡したかもしれません。しかし、技術的な常識から考えれば、同期性が極めて高いアプリか、ストリーミング配信が必要なアプリでもなければ、全てのクライアント-サーバ間でコネクションを維持するのは、サーバーコストが無駄です。チャットなんてほとんどデータが流れないアプリで、このような実装はナンセンスです。そしてなによりも、他の実装が多数ありLingrを選択する動機が利用者にありません。
Rejawに関しては何ゆえにTwitter+Lingrのマッシュアップにしなかったの? って疑問のほうが先にあります。すでにTwitterが大きな領土を持っている事業に展開するのですから、コバンザメ戦略をとるべきでした。おそらく、「Twitter程度のアプリなんてすぐ作れる」と技術者思考が、経営判断を鈍らせたのではないでしょうか。
「Twitter程度のユーザを確保する」のは作ることに比べて遥かに難しいのです。
さて、次は高須賀氏のサービスです。
メールはコミュニケーションの手段であって、コラボレーションの手段ではないということだ。1対Nの一方通行のやりとりならメールで十分。しかし、N対Nならすぐにパンクする。LUNARRは、「ドキュメントという1つのテーマでメールをまとめる」(同社 CEOの高須賀宣氏)ことでN対Nのやり取りの質を上げる。
Lunarrの仕組みはこうだ。共同作業を始めるにあたって、まずファイルをLunarrにアップロードするか、ファイルのURLを入力する(Google DocsやZohoのようにオンラインでホスティングされている文書の場合)。あるいはテンプレートを利用してLunarr上でゼロから文書を作ることもできる。それからユーザーが画面右上のタブをクリックすると、ページを「裏返す」ことができる。この「裏側」には、相手がLunarrのユーザーであってもなくても、メール・アドレスさえ知っていればメッセージを送れるツールが付属している。このメッセージは当該文書について話し合うのに使えるだけでなく、その文書への相手のアクセスも提供する。
(N:Nのコラボレーションか・・・社会需要がないなあ・・・)
「elements」はTumblrみたいに画像やテキストなどをスクラップして共有するサイトです。
基本的には、Tumblrとほぼ同様のサービスなんじゃないかなと思います。Elements, is kind of a visual Twitter, allowing users to share what they’re looking at with others.
(「○○と同じだと思います」と評される時点で高須賀氏的には負けですね)
江島氏と比較するのは意味ないですが、Lunarrの方がずっとビジネスとしての堅実性が高く、その代償として成長の可能性が限定的です。良く言えばサイボウズでの経験が生きています。悪く言ってしまうと、過去の成功が仇となって、自分自身に枠をつくっているようです。
「N:Nのコラボレーションによる創造」がなんでドキュメント管理システムなんですか?
当面儲からなくてもいいのであれば、もっと野心的なサービスだしてほしい。「N:Nで結婚できるサービス」ぐらい言わないと、彼の求めるイノベーションは達成できないと思います。
しかし、高須賀氏の資産なら資金調達しなくても11人程度の会社を維持することができたのではないかという気もします。共同経営者の浜口氏と経営上の不一致が発生したのでしょうか? はてなの近藤氏も一年で日本にもどってきたが、サイボウズの経営上の問題があったのだろうか?
そのうち高須賀氏自身の口から騙られるであろうが、僕は彼自身の目標とLunarrの方向性が一致しないのが原因なのではないかと創造します。
繰り返しになりますが、お二人とも失敗ではなく、目標に到達するまでの過程のひとつであると思います。僕自身が同じように回り道をしないですむようにしたいですが、今の低リスク路線を選択している自分はもっと酷い遠回りをしている、もしくは目的地に向かって歩いていないとも考えられます。
いつか、同じようにハイリスクを覚悟した際に、資金繰りだけは確実に担保して、収益点まで経営を続けられることを肝に銘じたいです。
Googleが米国出版社協会と和解したニュースが報道され、Google Booksが本格的に電子図書館になることが期待していました。ですが、それはまだ少し未来の話で、特に日本語の書籍に関しては、アメリカの2~3年遅れ、下手をしたら日本ではサービスが開始されないかもしれないと油断していました。
ところが・・・・
Google Books最高!!
Google Books愛してます。もう本屋いきません、おうちに引き篭もって暮らします!くらいの喜びです。
例えば、メルセンヌ素数に関する書籍を探そうとAmazon.co.jpで検索すると検索結果は0件です。

一方、Google Booksで検索すると、12件結果が返ってきます。そのうち10件は、なんと中身が閲覧できます!

しかも!どこのページにでているかも判ります。

これまでの書籍検索のシステムの多くが、検索条件で絞込みができるのが、著者名、出版社、タイトル、発行年度、そして貧弱なタグ付けされたキーワードでした。
Google Booksは全文検索です。全部です、全部。調べ物に最高だわ・・・・特に学術用途や、マーケティングデータ作成なんて時には抜群の能力発揮します。
さて、このGoogle Booksは著作権について、「著作権者」と「著作権周辺事業者」からすると許されざる行為に及んでいます。なにしろ、本の中身が見えてしまうわけですから、本を書いたり売って生業としている人にしてみたら、商売あがったりです。
でも、本当にそうでしょうか?
書籍の価格が1000円だとすると、100円が作者、200円が本屋、100円が卸し、600円が出版社に入ります。
出版社ぼろ儲けwwww 金の亡者かよwwww
と短慮をしてはいけません。
出版社は600円から、校正費、装丁デザイン費、印刷費、倉庫費、営業費、そして編集者の人件費を支払う必要があります。1000円の本を1万部印刷し、全て売れたとしても600万円でこれらを賄う必要があります。なによりも売れなかった場合のリスクを背負い込むのです。
そこで、もし、Google Booksで、電子的データを定価の15~20%程度で購入することがどうでしょうか?
1000円の書籍が、150~200円・・・魅力的です。
これまで図書館で借りていた人や、ブックオフで100円均一をあさっていた人たちが対象になるはずです。昨日の日経新聞の夕刊にもありましたが、図書館や古本屋の存在は、本の売上げを悪くしているのですから、出版社と著作権者の利益機会を侵害しています。つまり、Googleが電子データで書籍販売をすることは、著作権者の利益を侵害ではなく、利益機会の増大を図れます。
逆に、Google Booksがあるがために書籍の購入をしなくなる人はどのような人でしょうか?
さらに、Google Booksは電子出版専業の出版社の可能性を広げます。
電子データ専業の出版社であれば、印刷費、倉庫費は不要です。営業はGoogleがしてくれます。校正と装丁はあったほうがいいですが、Amazon MTurkを使えば、1冊10~20万円もあればできるでしょう。となると、著作者へのマーケティングコンサルタントともいえる編集者の人件費ですが・・・1冊あたり50万円と仮定しましょう。すると、1万冊売れれば作者以外のコストは60~70円です。
これは絵に描いた餅で、実際はGoogleは広告費をとりますけどねww
なんにしても駄本が減って、良本がビッグセールになっていくでしょう。
不況の影響なのか、最近荒唐無稽な似非科学の発表を安易にメディアが取り上げる例が目に付きます。
2chでも有名になったが「ベルシオンパワー」で空をとぶ
視察に訪れた航空理論のある専門家は目の前で見ていながら信用せず「どういうトリックを使っているのか」と声を荒げた。
通常の航空理論は機体に備わった両翼の上下間で、機体が直進滑走する際に発生する気圧差により揚力を発生させ、空中へ舞い上がる方式であるからだ。直進速度が落ち揚力が減少すると失速して墜落する。だが眼前の機体は空中停止し、両翼がないのだ。
開発者の鈴木政彦会長は「空気をつかむ、という新しい考え方で飛んでいる。正統な航空理論を学んできた方は自己否定になるため信じないが」と笑う。
“空気をつかむ”とは、両サイドの胴体で空気を逃がさないように空気抵抗を作り“抵抗の反作用で浮く”ことだという。例えば、水泳は水をつかんで後方へ押しやる時の反作用で体を前へ進める。空気中も同じ。空中停止はさながら立ち泳ぎだ。
この会社、よくよく調べてみれば、毎日新聞社が紹介したソフォス研究所の永久機関詐欺と同じ関係者によるものらしいです。
メディアが報道したくなるエッセンスをちりばめてあるのがよくわかります。
- 科学的な説明がつかないが、それは現在の科学体系とは異なる理論があるため
- デモンストレーションで動作するものをみせる
- 特許出願中 (審査請求中ではない)
- 海外からも注目されている
- 専門家がコメントをする
新聞記者は科学の専門家ではないので、専門家の裏づけがあると安易に信じてしまう。彼らほど権威に弱い業種も少ない。
似非科学を発表するほうはなにも全ての記者をだます必要はない、たった一人、どこでもよいので記者をだまして大手メディアに取り上げてもらえればよい。メディアがだまされると、メディアを盲目的に信用している投資家を騙すための格好の武器になります。
新聞社などの大手メディアがこの種の報道をするのは、検証能力が欠けるためだけではない。多少怪しくても、エンターテインメントとして、読者が面白いとおもえる内容であれば報道したくなるためです。
エンターテインメントであれば似非であれ詐欺であれ、物事の実態を正しく伝えるのがマスメディアのジャーナリズムであるのだが、「視聴者・読者が興味を持つか」が優先され、物事の本質を見抜くことをおろそかにしているのでしょう。
先週の東洋経済で取り上げられていた音力発電が、NHK教育のサイエンスZEROで取り上げられていました。題材が「減らせ!エネルギーロス ~ 熱再利用技術~」というもので、前半はペルチェ素子で熱から発電する話でしたが、後半にいきなり音力発電が紹介されはじめました。
ペルチェ素子に対してピエゾ素子を紹介するのは科学的教導番組としてはセンスが良いです。しかし、エネルギーの再利用という観点からいうと音力発電を紹介するのは妥当ではありません。音力発電はピエゾ素子の材料研究をしている企業ではなく、おもちゃを作っているエンターテインメント企業です。このような会社に技術企業の幻影をみせてしまうのでナンセンスです。
ウォーターエネルギーシステムを発表していたジェネパックスも今はホームページを閉鎖していますしね・・・。
昨今多くの会社が倒産・民事再生しておりますが、本日「アーバンエステート」が民事再生法を申請しました。帝国データバンクの倒産情報によると・・・資金繰りが悪くなって倒産とのことです。
急速な営業拠点の開設と従業員の募集に加え、テレビを中心とした積極的な広告宣伝活動から資金繰りは従前から厳しく、支払い遅延が散発するなど取引先の間で警戒感が高まっていた。さらに、近時の金融危機、不動産市況の悪化も重なり販売も低調に推移。こうしたなか、3月末に向けた資金調達も限界に達し、自主再建を断念した。
ライバル企業よりも多く商品を売ろうとすれば広告に頼ることになります。特に不動産のように同じ人が2つも3つも買う事がない商品は、買おうとする人全てにリーチしたいと考えます。そのためには、テレビ、新聞、大衆雑誌などマスメディアを使って広告するのが最も容易な手段です。 しかし、容易な手段であっても、費用対効果の良い手段とはいえません。
広告しなかった場合の売上げ、粗利
10億円、1億円1億円広告した場合の売上げ、粗利
20億円、2億円
広告する場合、「商品粗利分の金額で2倍以上の売上げ増」を達成しなければ意味がありません。規模の経済が効く商品・サービスは必ずしもこの限りではありませんが、普通は売上げ増えれば販管費も増えるので、粗利分の広告費で売上げ2倍+販管費増加分を売り上げる必要があります。
広告しなかった場合の売上げ、粗利、営業利益
10億円、1億円、3000万円1億円広告した場合の売上げ、粗利、広告除く営業利益
30億円、3億円、9000万円 つまり 1000万円赤字
販管費が粗利の7割くらいかかるとすると、3倍売上げが増えても赤字です。
アーバンエステートは規模のみを追求し広告の費用対効果をないがしろにしたために潰れたのです。
なぜこのような自転車操業が成り立つのかというと、広告費の支払いを広告代理店や子会社を使って、決算期を跨いで翌期払いにすれば帳簿上は黒字決算を出すことができるからです。
上の図の例で、広告費1億円を隠してしまえば、営業利益は3倍増です。売上げと利益が増えれば銀行の貸し出し上限が増え、新たに借入が可能になります。借金したお金で繰り越していた広告費を支払い、さらにより多くの広告を出していくというモデルです。
もちろん、上記のような広告の出し方はプロモーション戦略としてはリスクは高いですが、成功すれば大きく成長できるのでしばしば実施されます。
しかし、アーバンエステートの場合、「2個も3個も買う商品ではない」ため、広告効果のストックが発生していません。たかだか1回顧客獲得のためにだけ莫大な広告費を費やしていたわけです。アーバンエステートとしてもこの点は苦しんでいたようで、「60年住宅」と謳い、アフターサポートの保守費用で継続的な収益を得ようとしていたようです。
ネットでは広告の費用対効果が激しく問われますが、逆にいうとアーバンエステートのように売上げだけを追求した広告費の無駄遣いによって自滅する企業が極めて少ないという特徴があるかと思います。
