富士通への賠償請求

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東証が誤発注を取り消せない不具合の調査結果を発表、「富士通にも責任がある」

きっと契約書や仕様書に『富士通の責任』を発見した担当者は、鬼の首をとったように喜んだことでしょう。
東証は富士通に損害賠償請求をすべきでしょうか? メリット、デメリットをあげてみました。

【損害賠償のメリット】
・金銭的利益 (勝訴メリット)
・障害の東証責任が減少
・障害原因の追究がうやむやにならない

【損害賠償のリスク】
・訴訟費用 (敗訴リスク)
・訴訟に関わる社内リソースの投下
・システム不具合がいつまでも報道される
・ベンダーから東証プレミアムを高く設定される

メリットに比べてリスク要素が強く感じられます。リスクの中で特に強いのが、社内リソースの投下とベンダーからの東証プレミアムです。

訴訟が高裁までいくとして2年間の間、経営会議には毎度訴訟の進捗が報告される時間が費やされます。本来なら他の建設的な議題について検討できたはずの経営資源を裁判に投下することになります。きっと社員の中でもそれなり優秀な方が訴訟のためだけに数人割り当てられて働くことにもなるでしょう。

また、SIベンダーからは「東証との契約は損害賠償のリスクも加味して契約金額を定めよう」という雰囲気が生まれます。銀行システムが停止しても賠償請求が発生したという話は聞きません。あっても水面下でこっそりやっています。(「来期の保守料金は3か月分無料にしてよ、ははははっ」)
SIベンダーから怨まれるということの怖さを東証が理解しているのでしょうか。銀行システムよりも信頼性の高いシステムを(効率的な価格と期間で)構築できるベンダーは日本に数えるほどしかありません(100兆円、100年かけてよいのなら誰でもできます)。

ですから、「高すぎる、値引いてくれないなら他に頼む」と交渉する余地がないのです。今回の事件で富士通にしたように「東証は運営コストを半分にするから、これまでの半分の費用でシステム構築してくれ」と上から指定することができなくなってしまったことにまだ気づいてないのかもしれません。

以上のように対内的にも対外的にも大きなリスクがあります。東証が損害賠償請求を実施するか否かは、「支払う対内・対外コストに比してシステムの堅牢性を向上させることができるか」という軸で判断するのがよいでしょう。

システム堅牢性とは最終的には関わる人にたどり着きます。東証社員にもベンダーにも『第一にシステム堅牢』という意識が他の方法に比べて高くすることができるのなら損害賠償請求をおこなうべきです。これを判断できるのは東証内部の状態を知る経営陣だけです。

東証の鈴木義伯CIO

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このページは、noguが2006年2月 5日 14:05に書いたブログ記事です。

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