ソーシャルファイナンスP2Pレンディング Prosper ZOPA Kiva
一般にはほとんど認知されていませんが、海外ではP2Pレンディング(金融・融資)と呼ばれる仕組みが注目されています。有名どころではProsper(米国)、ZOPA(英国)、Lenging-Club(米国)、などがあります。(いずれも現時点では日本国内から利用することはできません)
P2Pというと日本ではファイル交換Peer-to-peerが有名ですが、こちらはPerson-to-Personの略で、要は個人が個人にお金を貸すための仕組みです。前からいろいろ分析していたのですが、先日あるVCの方とディスカッションする機会がありましたので、まとめておきたいとおもいます。
一般に銀行などの金融機関から調達するのを間接金融、株式などの発行によって市場から調達するのを直接金融とよび、個人がお金を借りようとすると間接金融を利用するしかありません。間接金融は銀行のコスト分金利が高くなりますし、金融機関の審査基準によって借りることができないケースも多くあります。
既存の金融機関は社会インフラとして行政からの統制をうけ、コンプライアンス、健全性、情報開示などを高いレベルで求められるため、どうしても金融システムに隙間が生じます。日本国内の例でいえば、経済信用レベルが低い方に事業資金を提供する仕組みはありません。貯金も仕事もない人がラーメン屋を開こうとしても、銀行どころか商工ローンでもお金を貸してくれません。
日本の場合は、「親・友達に頭を下げて事業資金を借りて来い。親や友達から融資してもらえないような事業プランや経営者にお金をだせない」と言われると、返す言葉がないものです。実際、貯金がゼロでも2、3年まじめに働けばある程度の原資を貯めることは可能ですし、周囲の知人がみな貯金をもっていないということはありません。
経済の発展途上国では事情が違い、周りにお金をもっている人がだれもいません。そこで現れたのがマイクロクレジットのグラミン銀行(バングラディッシュ)です。提唱者のムハマド・ユヌス氏はその功績をたたえられノーベル平和賞を受賞しています。(NHKスペシャル「沸騰都市」で、同国内のBrac Bank(ブラック銀行)のドキュメンタリーが作成されています。この番組では事業資金の例ですが、実際には生活資金も融資します)
P2Pレンディングはマイクロクレジットの一種で、間接金融であったマイクロクレジットを直接金融とすることに特徴があります。
このP2Pレンディング日本国内で成立するでしょうか? Prosperは2007年8月にSBIとジョイントを組んで日本法人を設立しています。ZOPAも日本法人を2008年3月に設立しています。そして、先日Maneo(日本初P2P)が開始しています。(ネット上で個人がお金貸し借り P2P融資今秋にスタート)
さて、このP2Pレンディングが日本国内で成功するでしょうか? 貸し手は貸金法の制限から大部分がファンドないし金融機関で、個人はほとんどないでしょう。その際、資金需要のある所得階層の、倫理観、慣習、可処分所得、昇給などを分析すると、次の結論に達します。
日本国内ではP2Pレンディングは成功しない!
細かい分析内容は、別の機会に記事にしますが、他国でP2Pが成功するのは、「既存のファイナンスの算定基準よりも実態信用力が高い集団がある」、「友人・親類など自分の周辺に貯蓄に余裕のある人間がいない」・・・というのが前提になっています。
日本では「友人・親類などみな貧乏」という人口階層は少なく、また、そのような階層のデフォルト率は高すぎて、事業としてのファイナンスが成立するためには高い金利が必要となり、ますますデフォルト率が高くなります。ですので、このような人たちにはボランティアで対応するのが適切なのかとおもいます。
次回は、日本でソーシャルファイナンスが成立する要件を考えて見ます。
参考情報:
Wikipedia:Person-to-person lending(英語)
その他P2Pレンディング:
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