ビジネス: 2008年6月アーカイブ
欧米では、消費者はワインの質(システムの質)に対価を支払う
日本では、消費者はソムリエの質(SEの質)に対価を支払う
日本のIT産業はワイン産業にたとえると問題がわかりやすいです。(話を単純化しているために、誇張・単純化があります。)
ワインには一本300円のテーブルワインから、3万円のビンテージワインまで、同じアルコール度数のお酒に100倍以上の価値の差がついています。このワインの価値を決める要素は、シャトー(ワイン農園)が支配的です。
これは、ワインの価値を判断できる賢い消費者が、300円のワインには300円の対価を、3万円のワインには3万円の対価をつけるからです。
日本のIT産業をワインで例えると、気持ちよくなるためにワインを飲みたいだけの消費者に、ソムリエが「このシャトーはフランスの伝統的な製造方法とりいれたニューワールドの農園の・・・・」などと講釈がついて、300円のワインでも、3万円のワインでも、サービス料1万円がついてしまうといった具合です。
企業によっては、300円、3000円、3万円のワインを消費者が選べればまだましで、300円のワインしか選べないのにソムリエのサービスに1万円を請求する企業もあります。
ワイン産業の、シャトー・ボトラー(製品)、流通・卸、小売(販売)、消費者といった立場をIT産業にマッピングすると下の表のように対比できます。

日本では、ソムリエが高いサービス料を取るので、製品を提供する農園にはワインの質にかかわらず、300円しか支払おうとしません。当然、農園側は300円しかもらえないわけですから、質の高いワインをつくることを放棄し、300円のワインをいかに安く作るかといった方向にシフトしていきます。
これは、ソムリエを通してしか商品を買えない消費者に問題があるのです。レストランで食事と一緒にワインをとるのではなく、もっと農園のことを良くみて酒屋でワインを買ってください。そして、良いワインと悪いワインをつくる農園を覚えてください。
もっとも、日本国内ではワインをつくる農園自体がどんどん販売側に事業転換していて、肝心なワインは中国の農園から仕入れているありさまです。
IT産業の本質は製造です。ですが、今の日本のIT産業は単なる流通・販売業でしかありません。
・・・ユーザが欲していたのはワインではなかったのか?
